アンティーク時計。「大きな古時計」でお馴染みの振り子の柱時計からアンティーク時計の歴史は始まりました。
アンティーク時計というと「大きな古時計」に出てくるような大きな振り子の柱時計を思い浮かべる人も多いと思います。カチコチという振り子の音やボーンボーンと部屋中に鳴り響く音は、レトロチックでまさにアンティーク時計の王様ですね。この柱時計は、ガリレオの振り子の法則を応用し、1657年にクリスティアーン・ホイヘンスによって発明されました。また、映画によく出てくる懐中時計もアンティーク時計の代表ですね。これも柱時計を作ったクリスティアーン・ホイヘンスが1675年に開発しました。
その後、天才アブラアン・ルイ・ブレゲがフランスを中心に活躍し、約3800個の数々のアンティーク時計の傑作を創りました。そのなかでも最高傑作とされているのが、王妃マリー・アントワネットのために制作された懐中時計「マリー・アントワネット」です。20世紀にはいると飛躍的に技術は進歩し、ゼンマイなどの機械式時計に変わり、クオーツ時計や原子時計、また電波時計も開発されました。ではアンティーク時計とは何時ごろまでを指すかということですが、アンティーク時計は1960年代以前の手巻き、自動巻きの機械式時計を指すことが多いようです。
アンティーク時計は振り子の柱時計、懐中時計、掛け時計、置き時計から腕時計まで1960年代以前のものを指します。柱時計、懐中時計はアンティーク時計としての歴史も古いわけですが、懐中時計は今でも求める人が多いアンティーク時計のひとつです。
鎖で衣服に取り付け、ポケットに入れて持ち運ぶもので、アンティーク時計らしく蓋に彫刻がされているなどの装飾品としての価値も高いです。「賢者のおくりもの」という童話にも出てきますが、鎖にもコレクターがいるほどです。また、置き時計も装飾を施したものがたくさんあり、かつて、王様や貴族たちが競って職人に作らせた豪華なアンティーク時計には目を奪われます。掛け時計は壁に掛けて使用するもので文字盤などレトロチックなアンティーク時計は人気です。
また、腕時計はもともと時計付きブレスレットとして女性のお洒落用だったのが、懐中時計に代わって広く普及しました。1960年代以前の機械式をアンティーク時計といいますが、宝石を散りばめた高価なものもあります。ちなみに1913年、服部時計店(セイコー)が国産初の腕時計「ローレル」を発売しています。アンティーク時計について古い年代に作られたものは、非常に繊細で衝撃にも弱く、オーバーホールといわれるメンテナンスを定期的にする必要があります。期間は2年に1回とも言われますが、機械である以上、年月や環境からくる傷みは避けることができません。それにも係らず、アンティーク時計に愛情を注ぐ方がたくさんいるのは、アンティーク時計に込められた時計職人の誇りと情熱が見るものを捉えて離さないのかもしれません。
そんなアンティーク時計のブランドには、カルティエ、ロレックス、オメガ、ハミルトン、ティファニーやロンジンなど、時計に興味を持たない人でもその名をよく知られている世界的なブランドがあります。また、日本のセイコー、シチズンなどのアンティーク時計も人気です。実際、時計の開発の歴史に名を残した老舗ばかりですね。
アンティーク時計は、ネット上でも専門ショップはありますし、オークションでも出品されています。高価なものなので、信頼のできるショップで購入するか、オークションならばしっかり状態を確認しましょう。街の骨董屋さんにも面白いものがあるかもしれません。